小林武史によるダイアリー。日々の出来事や、現在進行中のプロジェクトについて、今考えていることなどを綴ります。

いろいろなto do

2010.08.14 02:28

カオスの季節を過ごしていると、
前から解ってはいるけれど、
自分がどれだけいろいろな異なる種類や次元の違う
to doをやっているのかと気づきます。

エイベックスの松浦君だったり、
僕よりももっと先輩の経営者や
リーダーの知人はたくさんいるけれど、
多分僕が一番種類の異なる仕事をし、
異なる分野に手を伸ばしているんじゃないのかなと思います。

特にこの国は、ひとつのことをやり遂げるとか
石の上にも何年だとか、そういうことを美徳とされているのに対して
全く不謹慎極まりない生き方をしているようにも思えます。

だけど、僕にとっての本業である音楽ひとつをとっても
正直言って、やりたいことがより思い切りやれるように
なってきているとも思うわけです。

ミスチルのステージにプロデューサーとして上がっても
本当に体を通して演奏ができてきているし、
プロデューサーとしても進化できている......
まぁ自画自賛モードはこれぐらいにしたとして、
とにかく根っこはチームプレイが好きで
その中でリーダーシップを取る立場の仕事が好きだったり、
向いているということから始まっているんですけどね。

それに、音楽が持っている感情が
この世界や命のダイナミズムみたいなものを映し出しているから、
そこへ司っているうちに、
つまりそれを理解して表現したり再構成しているうちに、
「あぁ、他と同じなんだ」と、気づいていっている
ということもあるのかもしれません。

いずれにしても取っ散らかり気味の日々だし
整理整頓のしなければ、ということで
せめぎ合いの日々であり、なかなか大変です。



会議が終わり

2010.08.13 00:06

僕らの会社はお盆休みというのは特になくて
みんなそれぞれがある程度好きな時に夏休みをとるやり方を
随分前からやっているんだけど、
だからいま8月のお盆真っ只中シーズンで
いろんなことをやっています。

また来週からみっちりとスタジオに入るんだけれど、
それとはまた別に仕込んであるものが
音楽やエンターテイメントもので4つぐらいあり、
それを意識のどこかでキャッチアップしようとして
ぼんやりしたり調べたり、本を読みながら思ったり、
鍵盤に向かったりしています。

そんなことをしながら合間に会議が、
それも全体の理念に関わることから
4〜5年先の展望や1〜2年先ぐらいの
具体的なプランを考えたり解決したり、
そして現状大きなプロジェクトに乗るか乗らないかという時の
チーム内の人間関係の摩擦を検証したり、
昨日もそうだけど、深酒したり、
その席で思いもかけずに人と繋がって問題が解決したり......

なんだかお盆の時期に、もちろん暑い夏で、
台風が近いのか遠ざかってるのかよくわからないけれど、
ぐちゃぐちゃに密度が濃いわけではないけれど、
不思議にわらわらとしたカオスな毎日です。

8月9日

2010.08.10 01:19

久々のブログなのにいきなりなんですが、
今日は僕の会社のまわりが物々しく
時々日本って不思議だなと思うぐらい、
べらんめいちょうの怒号が響き渡ったり・・・

ちなみに僕の会社がある場所は港区某所で、
港区にはロシア大使館があるのです。

僕のスタッフがそれとなく確認したところ、
今日は「反ロシアデー」(昔は反ソ連デー)でもあるそうです。

どういう意味かと言うと、
1945年8月9日は長崎の原爆が投下された日でありますが、
敗戦が濃厚な日本に、不可侵条約を結んでいたにも関わらず、
ソ連軍が侵攻してきた日でもあるそうです。

アメリカが原爆などで攻めに攻めていた8月に、
ソ連も戦後の領土分配のもくろみを持って攻めてきたという、
敗戦国というのはおそらくそうなんでしょうけど、
歴史的に見ても本当に恐ろしい
混み入った8月の前半の日々だったんですね。

この間仕事の関係もあって、
ベトナム人の女性と話す機会がありました。
彼女は英語も堪能で、
アメリカ人がボスの会社で働いているんだけれども、
食事の時に彼女と彼女の友達のデザイナーの女性がいて、
彼女たちは8月6日広島の、8月9日長崎の
原爆投下の日を知っていたのです。

その話をしながら、彼女たちは目を潤ませていました。
ベトナム戦争が終結したのが1975年。

僕も彼女たちも、仕事やこれまで生きてきた人間関係は
たくさんのアメリカ人との繋がりでできているけれど、
直接的、間接的含めて、日常からほんの少しズレたところ、
もしくはズラしてみた時に、鈍い痛みというか、
歪のようなものが存在しているということを感じました。

話は少し変わるけれど、アジアの繋がりはすごく面白いです。
今度またその辺のことを書いていきますね。

ちなみに本日8月9日は、
OORONG-SHAが1991年に
会社法人として設立された日でもあります。
今年でまる19年。
今日から20年目に突入したという日でした。


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小林武史

音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Childrenをはじめ、日本を代表する数多くのアーティストのレコーディング、プロデュースを手がける。映画『スワロウテイル』(1996年)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、など、手がけた映画音楽も多数。2010年の映画『BANDAGE(バンデイジ)』では、音楽のみならず、監督も務めた。03年、Mr.Chilrenの櫻井和寿、音楽家・坂本龍一と自己資金を拠出の上、一般社団法人「ap bank」を立ち上げ、自然エネルギー推進のほか、「ap bank fes」の開催、東日本大震災の復興支援など、さまざな活動を行っている。